2008年11月19日

みんなたちへの豆教室 VOL.9

08autumn03-01.jpg小豆の相場の話をします。

まずみんなが農家さんだとします。
今は夏です。今年の畑にはいっぱい花がついた。

みんな「今年の秋は小豆豊作だべっちゃ。農協に売れば1俵9500円てとこだべか」

そこにボクが来る。
ボクは小豆を買いに来た商社マンです。

ボク「えぇみなさん。ボクに小豆を売ってくれませんか。1俵60kg。9800円でどうでしょう」

みんなはひそひそ相談しますね。1俵9800円といえば思っていたよりも高い。

みんな「いいよ。売ってやるべ」

ボクは事前に中国の小豆が農薬の騒ぎで品がそろわないと知っていたんですね。
だから国内の小豆は引く手あまたになると踏んでいた。
だから高値で買ったんです。

そのニュースが知られてからでは遅いですから。
収穫前にあらかじめ畑ごと小豆を買ってしまうんです。


案の定、中国から小豆が入ってこないことが確定しました。
国内の小豆相場は跳ね上がります。
一俵10000円もついた。
ボクは9800円で買ってますから、一俵あたり200円も得する。
農家の人は気持ち的には損です。

みんな「慌てて早く売ってなければ、一俵あたり200円も得したのに」

でも、もちろん逆もあるわけです。
今年の中国の小豆が入ってこないと聞いて別な商社が、
こんなときのために倉庫に隠し持っていた古い小豆を一斉に売った。
国内も予想以上に豊作だった。
需要に対して十分足りてますから、
相場は思っていたよりあがらず、1俵9400円だった。
ボクは1俵400円の損。みんなは400円得します。

みんな「よかった。よかった。早く売っといてよかった」

これはどんどんエスカレートする。
言ってみれば、いろんな人を巻き込んでやる上がった下がったの博打ですから。

相場は常に上がったり下がったりする。
相場には、ウソとホント。
信用と裏切り。
愛と悲しみがつきまとう人間くさいものです。

「赤いダイヤ」とは小豆相場が生んだ悲喜こもごものドラマのことです。

2008年11月18日

みんなたちへの豆教室 VOL.8

08autumn04-01.jpg春先にとくに霜が降りることなく順調に育ったとします。
そうしたら幾分安心です。
小豆は暖かいのを好みますから。

でも次は草と虫取りです。
襲いかかる虫や雑草から、いたいけな小豆を守ってやらなければなりません。
これまたあっという間に虫に食べられたり、雑草ボーボーになったりします。
地平線の果てまで、虫取り、雑草取りですよ。
腰をかがめて。まさに地べたに這いつくばる。

少し前の話しです。

いまではどこの農家もそんなことしてない。
ちゃーっと農薬散布して、ちゃちゃーっと除草剤をまいてしまう。
とはいえ大変な作業に間違いはない。
それだけ広いんです。

やがて短い夏が訪れます。
小豆は可憐な小さな黄色の花をつける。
その花の数でその年の収穫がだいたい見込めます。
花が畑いっぱいに付けば、
「いやいやいや。今年はショウズ、当たり年でないかい。クク」

秋が待ち遠しいですね。

08autumn04-06.jpgそろそろ長雨が心配です。
台風の夜はさやが落ちてしまうんでないかと夜も眠れません。
雨合羽と懐中電灯で、何度も畑に出向きます。


なんとか秋になりました。
さぁゴールが見えています。

父さん「母さん。よがった。小豆がいっぱい実つけとる」
母さん「んだね。したっけ、あれが来ないといんだけど」
父さん「だいじょぶだ。なんも心配いらん。酒でも飲んで豊作祝うべ」
母さん「まだ、わからないっしょ。油断したらなんないよ、父さん」

ウー。
夜の十勝にサイレンが悲しく響きます。
ウー。
がばっと母さんが、飛び起きる。
父さんは酒飲んで高いびきしている。

「父さん。起きれ。起きてけれ。霜警報だ」

ウー。

表へ飛び出すと、どこもかしこも小豆農家が一斉に飛び出し畑に向かいます。
この時期に降りる霜は、小豆の成育を止めてしまうんですね。
早霜と言います。
ここまで頑張ったのに、またも一晩にしてパーとなってしまうんです。
これは都会でサラリーマンだったら考えられませんね。
霜降りたから、一年間のお給料がパーになるなんてことはまずないでしょ。
そもそも月給ですからね。
ボーナスがパーになるって言うんじゃないですよ。
霜降りたら給料が無くなって、かつ、それにかかった経費も全部パーになる。

暖かいところで育つ小豆を北海道で育てるというのは、それだけ博打に近いものがあるということです。
だから、小豆は昔から先物取引の対象になってるんです。

先物取引のはなしを明日はします。

08autumn04-07.jpg

2008年11月17日

みんなたちへの豆教室 VOL.7

  08autumn03-01.jpgマメヒコの小豆も十勝で穫れたものです。
来年からはもっと細かく十勝の音更町というところのものを使う予定です。
音更町の「えりも」という品種がマメヒコの小豆と言うことになります。

エリモショウズですね。森進一のね。
「襟裳の春ぅぅわぁぁぁぁ」

もう覚えてくれましたね。

この「えりも」は少し色が薄くて、皮がやわらかく、風味がとてもいい。
そしてなにより寒さに強く、種まきから収穫まで短いんです。

秋に畑に行けば、褐色のさやが畑一面に寝ている。
ぱっと見ただけでは、大豆と区別つかない。
さやを手に取れば、中に赤い小豆が入ってるからわかります。

08autumn04-02.jpgさやから採れたてのものは、少し白っぽくて艶がありません。
これはまだね、磨いてないからです。
普通一般的な豆はみんな磨いて艶を出してるんですよ。
靴を磨くように布でね、こすって磨いてる。

 

 

春に蒔いた小豆を、その年の秋に収穫する。

たしかにそうなんですけど、

ここに、ぼくら東京にいるひとと向こうのひととのあいだに大きな感覚のズレがあると思っています。

頑張ればそのぶんの対価が返ってくるというのは、自然相手では必ずしもそうとは限りません。


それでは小豆を今ここで植えてみようね。

春です。種をまきます。播種(はしゅ)って言います。

  08autumn04-04.jpg 08autumn04-03.jpg種は春に種を蒔くと、順調にいけば芽を出すわけです。

さぁ出ました。

ピンコン。

早速、最初のハードルです。

08autumn04-05.jpgまだ始まったばっかりなのにっていう感じでしょ。
でもね。
予想したとおりに何でもすすむとういうのはボクらの思い込みです。


この発芽する春先にね、霜が降りると小豆は全滅します。

この霜を晩霜と言います。

理不尽でしょ。
全く自然は理不尽です。

地平線の彼方まで植えたの小豆は一夜にしてパーです。

でもまだ春先ですから、あきらめたらダメです。
植える時期が遅い金時を植えれば、なんとかリベンジできるかもしれない。
そこで慌てて、翌日には金時を植えたりするんです。

2008年11月15日

みんなたちへの豆教室 VOL.6

  08autumn04-01.jpgみんなほんと何も知りませんね。
ササゲは小豆に似た豆です。
ぱっと見ても区別つかないです。

関東では赤飯にどうしてササゲを使うかというとね。
アズキだとね、どうしても皮が破れてしまうんです。

そのことが、江戸の侍は気に入らなかった。

餅屋「このたびはおめでとうございます。お祝いに私ども自慢の赤飯を炊いて参りました。お召し上がりくださいませ」
お侍「餅屋」
餅屋「へぇっ。いかがでございましょう」
お侍「腹が割れておる」
餅屋「はっ」
お侍「豆の腹が割れておる」
餅屋「ハハハハハハ。小豆のやつはなにぶん皮が破れやすいたちでして。お味には」
お侍「餅屋っ。祝いの宴の席で豆が切腹しておるとはなにごとじゃ」
餅屋「いやでも、小豆は皮が破れるのがなんていうか」
お侍「うつけ!(刀抜いて) 貴様の悪事は全て露見した」
餅屋「いや悪事って」
お侍「この場にて、潔く腹を切れ!」
餅屋「ば、馬鹿な~!!」
お侍「小豆にできることを、おまえにできぬことはあるまい」
餅屋「しょしょ将軍様」
お侍「不届千番、覚悟」

長くなりますからやめますけど。
まぁウナギなんかもそうで、どうも関東のひとは煮崩れするアズキを忌み嫌ったみたいなんですね。

それくらいアズキは割れる。

08autumn03-04.jpgでもそこがいいところなんです。
皮が破れて中から呉が出てきてくれなきゃあんこは作れません。
煮崩れたアズキの皮をこしたのが、こしあん。
皮も残せば、つぶあんです。

小豆の一大生産地と言えば、それはもう十勝です。
もう地平線の果てまで小豆畑というところです。

そもそも十勝で豆の栽培が始まったのは明治初期なんだそうです。
十勝は、火山灰の土壌ですから、当時の重要な動力源だった馬で畑を起こしやすい環境だった。
豆を作るのに適していたんですね。
さらに秋の乾いた気候は、刈り取った豆の乾燥にも適していたっていうんですね。
だから北海道で盛んに豆を作るようになった。

さらに、寒暖の差が激しいところですから。
昼間、暖かくても夜になるとがくんと冷える。

そういうところで採れた作物っていうのはおいしんです。

でもね。
実を言いますとね。

十勝で小豆を作るというのはかなり無理がある。
無茶なんです。
小豆というのは、本来、暖かいところの植物です。
知らなかった?
知らなかったでしょ。
そうなんですよ。
だから十勝になんか向いてないんですね。

なのに日本の一大生産地でしょ。
つまり、そもそも無理がある。
だからいろいろな悲劇が起きるんです。

2008年11月14日

みんなたちへの豆教室 VOL.5

  08autumn04-01.jpgではこれを読んでみてくださいね。
「小豆」。


はい、あなた。
 「コマメ」。
はい、そちら。
 「ショウズ」。
はい、こちら。
 「アズキ」。
ではきみ。
 「チイマメ」。

チイマメね。

小さい豆だからチイマメ。

このさい、どれでもいいことにしましょうね。
全部良いことにします。


でも普通は「ショウズ」か「アズキ」。


北海道に行きますとね、雑穀関係の人や農家の人はショウズと一般的に言います。
和菓子屋さんなんかもショウズですね。

北海道でよくとれる品種は「エリモショウズ」とか「サホロショウズ」。
エリモっていうのは襟裳岬。知ってる?
場所、地名ですね。
おふくろさんを歌っていいことになった森進一が「襟裳の春ぅぅぅわはぁぁぁ~」って。
歌。演歌。「襟裳岬」。吉田拓郎作曲の。

若い子とはどんどん話しが合わなくなってきます。
そういう歌があったの。襟裳の春は 何もない春です。っていう歌。

08autumn03-02.jpg中国からくる小豆は「天津ショウズ」と呼ばれています。
天津も地名ですね。甘栗の。そう。天津甘栗のテンシン。
ショウズと栗は天津テンシン。と覚えてね。
小豆もまた輸入に頼ってるわけですけど、大豆とは少し事情が違う。

中国で小豆を煮て砂糖入れてあんこにして輸入しちゃう。
関税なんかでもこれが一番安く済むんです。
あんこの年間輸入量は10万トン近い。10万トンてすごい量ですよ。
だからね、コンビニで売ってる安いあんパンとか和菓子なんかはね。
あれ、全部、中国産だと決めつけていい。
国産であんなに安くできるわけないんです。
今年は、冷凍餃子に農薬が入ってた関係で船積みが遅れて大変だったみたいです。
別に中国産がいけないとは思わないです。
中国産に対して過剰に反応しすぎだと思う。
よく言うよって思っちゃう。
毎年10万トンの中国あんこをへっちゃらで日本人は食べてたわけだから。

ただね。
中国で作ったあんこに、十勝産のクズあずきをちょろっと混ぜて、
地平線まで畑が広がる十勝の風景をパッケージに貼り付けて、
北の国からのテーマ曲を流して。

 あーあーあああああー♪あーあーあああああー♪
 父さん 十勝あんパンができたわけで。

ていうやり方はどうかと思う。
誰一人、罪悪感なくて、
小さなほんとを大きく見せて、大きな嘘は黙ってるというのにだれも抵抗ないのかなと思います。

08autumn03-03.jpgさて「アズキ」とはなにか。

語源辞書によりますと。
ここにあるから見ますけど、
「ア」は「赤い」、
「ズキ」は「煮くずれる」。
そういう意味なんだそうです。

赤くて煮たときに崩れる豆。
小さいとかそういうのは関係ない。
なるほどね。
それはほんとにそうだね。
アズキは煮てみりゃわかるけど、すぐに皮が破れる。

ほかのはそうでもないですよ。
赤飯なんかありますね、お祝いの。
赤飯には小豆が一般的ですが、関東では違いますね。
「ササゲ」。


このあたりになると怪しいね。
ササゲ。聞いたことある?
知ってますかぁー。?ササゲ。

 「つぼ焼きっす」

あぁ海の家によくあるあれはサザエね。

 「お味噌汁っす」

そうそうそれはユウゲ。

 「鼻の毛っす」

それは。

2008年11月13日

みんなたちへの豆教室 VOL.4

08autumn02-01.jpg

 

十勝の大樹に茶豆を作ってる農家さんが知り合いでいるからね。
マメヒコでも枝豆やれないかなと思うんだけど。
枝豆って言うのは、一にも二にも鮮度なんだよ。
門外不出の地元の人だけが食べてた山形の「だだちゃ豆」が急に有名になったのも、クール宅急便の発達だって言われてる。
千葉の野田も茶豆で有名ですけど、東京で枝豆食べるなら、山形より千葉から運んだ方がいいに決まってる。鮮度がすべてだから。
だから北海道だとね。少し遠すぎるんだよね。

08autumn02-06.jpg08autumn02-07.jpgこれが秋の茶豆畑。
中あけても茶色いでしょ。
まん丸じゃないのわ、まだ乾燥が不自由分だからです。
豆農家の人にとって、畑で十分に豆を乾燥させる、
枯れさせることは、大事な仕事の一つなわけです。
十分に乾燥した豆はまん丸。ほんとにきれいな球体です。


大豆の形そのものというのはあんまり見ないね。
大豆はほとんどが加工品としての利用だから。
麹菌という微生物で発酵させたものが、醤油であり、味噌です。
醤油や味噌の原料が大豆だなんて、教えてもらわなきゃわかんないね。

茹でた大豆を搾って漉したのが豆乳です。
その絞りかすのおからも、大豆とは思えない。

その豆乳ににがりを入れて固めたのが豆腐。
これだって、大豆だなんて夢にも思いませんね。
もっと言えば、がんもどきもそうだし、油揚げも、湯葉も大豆だから、
大豆をとことん食べ尽くすというのはすごいと思います。

唯一、見かけがダイズダイズしてるのは納豆ぐらいですね。
納豆は蒸した大豆に納豆菌をつけて、ねばねばさせたものです。
ひき割り納豆しか食べないというひとは、もはや大豆の形そのものを見ることは無いかもしれません。

 「日本人と大豆って縁が深いんですね」
 「大豆のことあんまり知りませんでした。勉強になりました」

ってみなさん思ってるでしょうけど。

 じゃぁ日本の大豆の自給率ってどのくらいだと思いますか?
 
 「そうね。外国からもいっぱい輸入してるみたいだし、半分くらいかしら」というそこの奥様。まぁクロカンでも食べてよ。

08autumn02-05.jpg何のんきなこと言ってるの。資料によれば、大豆の自給率は重さベースでたったの4%です。

日本で年間に使う535万トンの大豆のうち、国産はたったの20万トン程度しかない。

そもそも日本で使う大豆の80%は油を絞り、そのかすを肥料や飼料にするために輸入してるんです。
そんなものまで国産大豆でやってたら、揚げ物も炒め物も、豚肉も牛肉も、全部高くて大変なことになる。

日本で使う大豆の80%は油を絞るため、残りの20%の100万トンが直接食べる用で、さらにその20%が国産大豆です。
だからたったの4%。
醤油や味噌は95%、豆腐は75%、納豆は90%が輸入大豆を原料に作られてる。
逆に煮豆に使われてるもののほとんどは国産大豆らしい。

このままでは豆腐が食べられなくなるという事実はまたの機会に。

08autumn02-09.jpg

2008年11月12日

みんなたちへの豆教室 VOL.3

  08autumn02-01.jpg夏になると枝豆っていうのを食べますね。
エダマメ。

枝についてるあの枝豆ね。
とりあえずビールに枝豆。
っていうエ・ダ・マ・メ。

この枝豆。
大きくなれば大豆だってことは意外と知らないんですね。
知ってる?

こういう話しっていうのは、
知らないひとにはどんなに丁寧に言ってもてんで、ちんぷんかんぷんで、
知ってるひとにとっては、当たり前のことを偉そうに言うなって叱られちゃうんだけど。
豆教室だから、できるだけわかりやすく言うね。


豆というのは昨日も言ったように種なわけです。

それを植えると芽が出て、やがて大きくなって、花が咲き、その花がやがてさやとなり、そのさやの中に、種である豆ができる。

ここまでいい?

ついてきてる?

 「無理っす」

まだ難しいことなにも言ってないよ。いくよ。
で。
その、大豆の場合、
大豆を植えて、芽が出て、大きくなって、花が咲いて、さやができる。
そのときに、さやをもぎ取って、茹でて塩ふって中身を食べるのが枝豆。
だから枝豆と大豆は一緒なの。
わかる?

 「じゃあ大豆って言えばいいじゃん」

そう。そのとおり。

08autumn02-02.jpgでも、一般的に、大豆と言えば、乾燥大豆のことをいう。

枝豆が緑色をしてるのは、未熟だからで、やがて夏が過ぎ、秋まで畑でほったらかしにされると、
畑はみすぼらしい褐色の枯れ畑になる。
畑にはひからびた、枝豆があっちにもこっちにも付いている。
でも、そのひからびたさやを、ひとつ手に取ってみてごらん。

あっ!

見覚えのある大豆が入っているでしょ。

マメヒコで一番人気のあるメニューっていうのはクロカンです。
寒天に黒豆を甘く煮たものをかけてるもの。
普通マメカンと呼ばれるものは寒天に甘く煮たエンドウ豆をかけるというのが定番だけど。
うちでは黒豆を使ってます。
あの黒豆。
あれも大豆です。
黒い小豆もあるし、黒いインゲンもあるけど、
黒いダイズをクロマメって呼ぶ。

08autumn02-03.jpgダイズの未熟なものを野菜として食べるのが枝豆というのは覚えたかな。
だから枝豆をいつまでも収穫せずに完熟させると大豆になるし、どんな大豆も未熟なうちに収穫すれば枝豆として食べられる。
だから、黒豆にも同じように枝豆があります。
黒豆の未熟を黒枝豆と呼んで、京都の丹波では、黒豆の産地なんですが、丹波の黒枝豆もまた名産なんです。

ついでに言うと、大豆には茶豆っていうのもある。
今度は茶色い豆ね。

山形の鶴岡の名産の「だだちゃ豆」があるでしょ。
知らない?だだちゃ豆。幻の枝豆。
これはね豆の色が茶色い。
枝豆の鞘には細かい毛がついてるんだけど、その毛もものすごい茶色です。
毛深い外人の腕みたい。

この茶豆は香りと独特のうまみがすごい。
採れたての茶豆をその場で茹でて食べたらもうね、びっくりするよ。

 「ギャー。これが枝豆なにょ」 08autumn02-04.jpg

2008年11月11日

みんなたちへの豆教室 VOL.2

08autumn01-01.jpgマメヒコはオープンして3年になります。

えー。
で。
その豆を3年間、毎日毎日キッチンで炊いてきたんです。
言うは安く行うは難しでね。
いま全部で7種類ですけど。
その7種類の豆を毎日ほどよく炊くというのは、やったことある人にはわかると思いますけど、
・・・大変です。

何が大変かって。
とにかく手間がかかる。めんどくさいんですね。

豆は思いついてもすぐ煮えないんです。
 今夜の晩ご飯、豆にしよっか?
 そうね。
っていう風に簡単にはできないんですね。

乾燥豆には吸水というのが必要なんです。
乾燥してますから「戻し」てやらなきゃならない。

マメヒコの豆は北海道産のものだけを使ってます。
北海道から届いた豆は、客席にあるガラス瓶に入れて保管してます。

08autumn01-04.jpg  その乾燥した豆をね。
一晩水につけとくとね。
翌朝にはだいたい1.5倍くらいにふくらむ。
それから煮るんですね。   

 あのね。
いきなり火にかけても、中までしっかりと煮えないの。
だからそれがめんどくさい。
豆がいまいち敬遠されがちな理由ですね。

火にかけてからは、ほんとに弱火です。
そうしてことこと半日ほど煮る。
やわらかくなったら、味付けです。

その味付けも、なるべく何回かに分けて、じっくりとやらないとだめです。
だからせっかちじゃだめです。
田舎のおばぁちゃんが豆を炊くのが上手というのは、
のんびりしてるからですよ。
冬のストーブの上かなんかにおいて、じっくり炊けば豆は美味しくなるんですね。
そういうことをやってるカフェはたぶんマメヒコだけだと思います。
小豆や大豆だけならあるでしょうけど、毎日7種類の豆を炊いて出してるところはないです。
あっても、めんどくさくて途中でやめちゃうと思います。

マメヒコはさらにケーキのスポンジ焼いたり、レアチーズ作ったりしなきゃいけないですから。
キッチンもホールも一緒くたですから、お店の厨房はてんてこ舞なんですね。

08autumn01-05.jpg豆ってね。
あれは言ってみればその、まぁ、種なんですね。
豆を土に埋めて、水かけてやれば、やがて、
芽が出て、ふくらんで、花が咲いたらじゃんけんぽん、
と豆ができるわけです。
我が家でもこの夏、ベランダでポケットに入ってた小豆を植えたんですけど、どんどん芽が出て。
葉が出て、花が咲いて、さやがついて、枯れました。
旅行中に水をやり忘れたんです。
でも、結構、簡単に芽が出るんだなと思ってね。
生命力が強いんです。
その生命力が豆の栄養源なんです。
豆って言うのは、生で食べるとあれ毒があるのね。
毒。
種ゆえに毒がある。
ちょっと前にテレビで、白インゲンを炒って食べるとダイエットになるとかなんとか言って。
真に受けてやってみたら、おなか痛くして大変な騒ぎになりました。
あっ知らない?知ってる?
ちゃんと炒ればよかったんでしょうけど。
いくらかは生だったらしんですね。
で、おなか痛くした。

生の豆には毒があります。
豆は馬鹿じゃないですから。
生で美味しかったら、どんどん食べられて、困るでしょ。
だから子孫繁栄のために毒をもって抵抗してるんだそうです。
知ってた?
だいたい知らないんだ。

大豆は畑の肉っていうくらい高たんぱく質だし、大豆のイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすることで注目されてますね。
日本人の長寿はイソフラボンによるんじゃないかっていわれてますね。そのくらい栄養の塊です。
小豆も体にいい。
小豆は漢方なんですね。
解毒作用が認められてます。
カラダのなかに溜まった余分な水も出す力もある。今はやりのデトックス食材です。

08autumn01-06.jpgそういう豆の効能はせっせとテレビなんかでやってる。

けど実際はめんどくさいから食べない。
家でも作らないし、ましてや外で食べられるところもない。
だったらカフェでそういうのが手軽に食べられればいいでしょ。

名前もいいし、かわいいし、体にもいいし。
もっと豆やマメヒコが注目されてもいいと思うんですけど。
注目されないです。(苦笑)

メニューも焼きりんごやレアチーズのほうが圧倒的に人気がある。

豆ってほんとに地味なんです。
だからみんなたちの豆教室を始めてみたいと思います。

2008年11月10日

みんなたちへの豆教室 VOL.1

08autumn01-01.jpgこんにちは。あんまり話が上手ではないので、
つまらなかったら、つまんねーなって怒らないでください。

なるべくわかりやすくするよう頑張ります。
井川といいます。

今日から、予定では6週間。毎日。
ボクが知ってる豆に関することを、
『みんなたちへの豆教室』としてお話ししたいと思っています。

学者でもないし、間違ってることも、勝手に思い込んでることもね、きっとありますから。
おっちょこちょいですから、訳知り顔でついぽろっと間違ったこと話してしまうと思うんですけど。
軽く聞き流してほしいと思います。

早速ですが。自己紹介として、マメヒコのマメの話しをします。
皆さんは豆というのを食べたことあると思うんですね。
マメ。
たとえばそれは納豆だったり。
んー、そうね。
納豆ぐらいしか今はね、つぶつぶの豆、というのを食べることがないかもしれませんね。
まぁ、その豆。つぶつぶの豆。
この豆を、マメヒコという、あのボクがやってる喫茶店、ありていに言うとカフェですけど、
そこでは、いろいろとアレンジして、
デザートにしたり、食事にしたりしてるんです。

ボクはつぶの豆をお店で出してみたかったんですね。

豆腐とか醤油とか、味噌とか。
あれももとは大豆だから豆ですけど、
そういうんじゃなくて、マルのままの豆をカフェで出してみたかったんですね。

豆っていうのは形がきれいなんです。フォルムがきれい。
空豆のフォルムなんてほんとにきれいです。

08autumn01-02.jpgそれをねお皿に盛りたくて、豆のままの形のままお店ではなるべく出すようにしています。

そして豆は名前もおもしろい。

白花豆、紫花豆、虎豆、金時豆、黒豆、大豆、小豆、
少し前まではうずら豆というのもやってました。

08autumn01-03.jpg虎とかうずらとか。ほかにもひよことかパンダとかもあります。
ヤギの目なんてのもあるし、クリスマス豆なんてのもある。
ネーミングが楽しいのが豆のいいところです。

そんな豆の楽しい名前と美しい形にひかれてマメヒコを始めたんです。

2008年11月 8日

「日刊ヒトヒコ」再開のおしらせ

去る6月から2ヶ月にわたり、月曜日から土曜日まで毎日連載した「日刊ヒトヒコ」。
マメヒコはいろんな「ヒト」たちの手によって生まれ、いろんな「ヒト」たちとの関わりの中で今があります。
そんなマメヒコと縁ある7人の「ヒト」たちを、毎週インタビューを交えてご紹介しました。
おかげさまでご覧いただいたお客様からもたいへんご好評いただき、「ヒト」に会いに北海道まで赴かれた方もいたとか。
もし興味がおありでしたら、このブログでもマメヒコ店内でも読めますからぜひご覧くださいね。
 
さて、この「日刊ヒトヒコ」。
来週10日(月)より再開することにしました。
期間は12月初めまで、およそ1ヶ月。今度は「ヒトヒコ特別編」と称し、少し趣向を変えます。
紹介するのは、マメヒコにとってなによりも欠かせない「モノ」。
日本人なら誰にでも馴染み深い「モノ」。
でもちょっとフタを開けて掘り返してみたら、知ってるようで知らないことだらけ。
もうね、ほんとうに奥が深い深い。
それを確かめるために、わざわざ北海道の道東まで行ってきましたよ。
 
マメヒコは、この「モノ」をみなさんにもっともっと知っていただきたい。
この「モノ」について、たのしくわかりやすく解きほぐしながら、そこに携わる「ヒト」もご紹介していく予定です。
そしてそうこうしてるうちに、これからのマメヒコのありよう、みたいなものがおぼろげながら見えてくるんです。
それはね、マメヒコだけでなく、皆さんにもけっこう身近なことなんですよ。
 
「日刊ヒトヒコ」11/10 月曜日からスタート。
 
日刊ヒトヒコ編集部より