劇マメヒコ

劇マメヒコ

劇マメヒコとは

舞台をやってみたいわけ。

5年前にデジタル放送のコンテンツを作る制作会社を始めました。それから3年前にカフエ マメヒコという豆をテーマにしたカフェを三軒茶屋と渋谷に作りました。それまで、ずっとテレビや映像の仕事をしてきたので「畑違いだかからおよしよ、あんたのためだよ」、という友人家族、会社の人間の親切を、まったく無視しましてカフェを始めました。どうして、突然カフェを始めたのか。と聞かれてもよくわからないところも多いと無責任ですが、ただ一つ言えるのは、テレビの仕事やエンターテーメントの仕事に、もっと自由に表現できてたら、カフェなんてやってなかった。それだけは言えると思います。無論、テレビで自由にやっておられる方もいっぱいいるので、ボクの非力でしかないんですけど、当時のボクにはテレビは閉塞感が垂れ込めたメディアにしか感じられなかったと言うことです。
朝の8時から夜の11時まで年中無休のカフェを始めたんですけど、客商売というのは忍耐の連続でして、人間なんて勝手なもんで、テレビの方がまだ楽だと思う毎日なんですね。とにかくお金がまったくない。人もいない。スタッフの不安、試行錯誤。もの作りなんて言いますけど、労働労働の積み重ねでしかない。濡れ手に粟なんてことが全くないんです。それでも、やる前はあまり考えてなかったんですけど、自分のカフェにどんどんお客さんが来るようになっているのを目の当たりにするうちに、こりゃカフェも立派なメディアになるなと、なんとなく思うようになったんですね。

こちらが黙ってれば、お客さんも澄ましてお会計して帰りますけど、こちらが何かを伝えようとすると、お客さんもパッと反応してくる。目や耳だけを刺激するテレビと違って、匂いや食感、不便といったお客さんの五感に訴えると、人間のふたを開けるって言うのかな、そういうことがあるなと少し面白くなってきた。経済ニュースなんかより、世の中の景気不景気はお客さんの財布から出てくる数百円を通して、ダイレクトにボクにものを言ってくる。実にカフェとはインタラクティブなメディアだと思えなくもないと前向きに思うようにしたんです。テレビの狭い人間関係で仕事をしているより、ずっと世間とつながっている感じが忍耐を通して持てたんですね。誰のためにやっているのかと。このひとたちのためにお店があるんだと目の当たりにできたことは大きいです。

たまたまお店が世田谷パブリックシアターやシアターコクーンといった劇場の真ん前にあったこともあって、劇場の前や後に「マメヒコに寄ったわ」なんてお客さんが大勢いる。そういうお客さんと話しをするとね、「芝居はつまらなかったけど、マメヒコというカフェでお茶できたことはとても有意義だったわ」なんてお客さんがいたりして面白い。逆もまたしかりでしょうけど。

ひとりにとって、カフェでおしゃべりする時間も、芝居を見る時間も、映画やテレビや読書の時間も、時間は時間。それらにあんまり分け隔てってないんですね。作る側は、映画だ、テレビだ、舞台だ、飲食業だって、わけ隔ててたがるけど、作る側も受ける側同様、垣根なんて低くていんじゃないかと思うんですね。

それで芝居をやってみようと思いました。いままで2回やりました。やってみたらカフェと芝居は実に似てると思った。1.まずお客さんが近いこと。2.回によって空気というのがあるということ。3.何度でも直しがきくということ。4.カフェが店員次第だとすれば芝居はキャスト次第だということ。

芝居の善し悪しとかよりも、やるなら劇場にたくさんのお客さんが来てもらいたいんです。多くの人がわざわざ時間を割いて、お金を出しても来たいというようなエンターテーメントにしたいんです。場所はできれば店の前でやれれば理想ですけど、とにかく気軽に来られるところ。芝居好きしか知らないし行かないぞ、なんてところじゃなくてね。「あっ、あすこね。あっ、あの人出るの。アタシあの人好きよ。じゃ行ってもいいかしら」みたいなね。それで芝居の前後に、マメヒコに来てくれたら珈琲出しますよとかね。すいません、芝居つまんなかったですか。珈琲はただにしますね。みたいな。

そういうことは記念ぽく一回だけやるんじゃ意味がない。何でもいいから続けられたらいいと思っています。といってもボク一人じゃできませんし、先立つものは所詮お金だったりね。採算とか事業性とかね、百円玉集める商売やってますから、シビアに考えちゃいますけど。カフェの宣伝にしてやろうとか、演劇業界に打って出るぞとかそういんうんじゃなくてね。なんとなくみんな面白そうだからやろうやろうっていう。やってみたらやれたね、楽しかったねっていう。あんまり眉間にシワ寄らないでやりたいと思ってます。いろんなヒトの力を借りて、どの程度の規模でどうなるかはわかりませんけど、やってみたいなと思ってこれを書いています。

2009年4月吉日

カフエ マメヒコ

株式会社セレンディピティ 代表 井川啓央






  • マメヒコでは過去3回のお芝居を公演しています。
  1. 今後も続けていこうと思っていますし、来年はまた新作をやる予定です。

舞台は色々な出会いから生まれるモノですから、

色々な出会いをひっさげて、次の作品を作りたいと思います。

2011年12月1日 井川啓央

  • 劇マメヒコ

    マメヒコピクチャーズ Mame-Hico Pictures

     マメヒコに来たお客さんが、マメヒコだけで見られるような映画を、ボクらの力で作ってみようと思っています。その映画は、マメヒコの宣伝なんですよとか、そういうこととは違う次元でやってみたいんですね。なんていうか、マメヒコでお [...]...