2008年11月19日

みんなたちへの豆教室 VOL.9

08autumn03-01.jpg小豆の相場の話をします。

まずみんなが農家さんだとします。
今は夏です。今年の畑にはいっぱい花がついた。

みんな「今年の秋は小豆豊作だべっちゃ。農協に売れば1俵9500円てとこだべか」

そこにボクが来る。
ボクは小豆を買いに来た商社マンです。

ボク「えぇみなさん。ボクに小豆を売ってくれませんか。1俵60kg。9800円でどうでしょう」

みんなはひそひそ相談しますね。1俵9800円といえば思っていたよりも高い。

みんな「いいよ。売ってやるべ」

ボクは事前に中国の小豆が農薬の騒ぎで品がそろわないと知っていたんですね。
だから国内の小豆は引く手あまたになると踏んでいた。
だから高値で買ったんです。

そのニュースが知られてからでは遅いですから。
収穫前にあらかじめ畑ごと小豆を買ってしまうんです。


案の定、中国から小豆が入ってこないことが確定しました。
国内の小豆相場は跳ね上がります。
一俵10000円もついた。
ボクは9800円で買ってますから、一俵あたり200円も得する。
農家の人は気持ち的には損です。

みんな「慌てて早く売ってなければ、一俵あたり200円も得したのに」

でも、もちろん逆もあるわけです。
今年の中国の小豆が入ってこないと聞いて別な商社が、
こんなときのために倉庫に隠し持っていた古い小豆を一斉に売った。
国内も予想以上に豊作だった。
需要に対して十分足りてますから、
相場は思っていたよりあがらず、1俵9400円だった。
ボクは1俵400円の損。みんなは400円得します。

みんな「よかった。よかった。早く売っといてよかった」

これはどんどんエスカレートする。
言ってみれば、いろんな人を巻き込んでやる上がった下がったの博打ですから。

相場は常に上がったり下がったりする。
相場には、ウソとホント。
信用と裏切り。
愛と悲しみがつきまとう人間くさいものです。

「赤いダイヤ」とは小豆相場が生んだ悲喜こもごものドラマのことです。

2008年11月18日

みんなたちへの豆教室 VOL.8

08autumn04-01.jpg春先にとくに霜が降りることなく順調に育ったとします。
そうしたら幾分安心です。
小豆は暖かいのを好みますから。

でも次は草と虫取りです。
襲いかかる虫や雑草から、いたいけな小豆を守ってやらなければなりません。
これまたあっという間に虫に食べられたり、雑草ボーボーになったりします。
地平線の果てまで、虫取り、雑草取りですよ。
腰をかがめて。まさに地べたに這いつくばる。

少し前の話しです。

いまではどこの農家もそんなことしてない。
ちゃーっと農薬散布して、ちゃちゃーっと除草剤をまいてしまう。
とはいえ大変な作業に間違いはない。
それだけ広いんです。

やがて短い夏が訪れます。
小豆は可憐な小さな黄色の花をつける。
その花の数でその年の収穫がだいたい見込めます。
花が畑いっぱいに付けば、
「いやいやいや。今年はショウズ、当たり年でないかい。クク」

秋が待ち遠しいですね。

08autumn04-06.jpgそろそろ長雨が心配です。
台風の夜はさやが落ちてしまうんでないかと夜も眠れません。
雨合羽と懐中電灯で、何度も畑に出向きます。


なんとか秋になりました。
さぁゴールが見えています。

父さん「母さん。よがった。小豆がいっぱい実つけとる」
母さん「んだね。したっけ、あれが来ないといんだけど」
父さん「だいじょぶだ。なんも心配いらん。酒でも飲んで豊作祝うべ」
母さん「まだ、わからないっしょ。油断したらなんないよ、父さん」

ウー。
夜の十勝にサイレンが悲しく響きます。
ウー。
がばっと母さんが、飛び起きる。
父さんは酒飲んで高いびきしている。

「父さん。起きれ。起きてけれ。霜警報だ」

ウー。

表へ飛び出すと、どこもかしこも小豆農家が一斉に飛び出し畑に向かいます。
この時期に降りる霜は、小豆の成育を止めてしまうんですね。
早霜と言います。
ここまで頑張ったのに、またも一晩にしてパーとなってしまうんです。
これは都会でサラリーマンだったら考えられませんね。
霜降りたから、一年間のお給料がパーになるなんてことはまずないでしょ。
そもそも月給ですからね。
ボーナスがパーになるって言うんじゃないですよ。
霜降りたら給料が無くなって、かつ、それにかかった経費も全部パーになる。

暖かいところで育つ小豆を北海道で育てるというのは、それだけ博打に近いものがあるということです。
だから、小豆は昔から先物取引の対象になってるんです。

先物取引のはなしを明日はします。

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2008年11月17日

みんなたちへの豆教室 VOL.7

  08autumn03-01.jpgマメヒコの小豆も十勝で穫れたものです。
来年からはもっと細かく十勝の音更町というところのものを使う予定です。
音更町の「えりも」という品種がマメヒコの小豆と言うことになります。

エリモショウズですね。森進一のね。
「襟裳の春ぅぅわぁぁぁぁ」

もう覚えてくれましたね。

この「えりも」は少し色が薄くて、皮がやわらかく、風味がとてもいい。
そしてなにより寒さに強く、種まきから収穫まで短いんです。

秋に畑に行けば、褐色のさやが畑一面に寝ている。
ぱっと見ただけでは、大豆と区別つかない。
さやを手に取れば、中に赤い小豆が入ってるからわかります。

08autumn04-02.jpgさやから採れたてのものは、少し白っぽくて艶がありません。
これはまだね、磨いてないからです。
普通一般的な豆はみんな磨いて艶を出してるんですよ。
靴を磨くように布でね、こすって磨いてる。

 

 

春に蒔いた小豆を、その年の秋に収穫する。

たしかにそうなんですけど、

ここに、ぼくら東京にいるひとと向こうのひととのあいだに大きな感覚のズレがあると思っています。

頑張ればそのぶんの対価が返ってくるというのは、自然相手では必ずしもそうとは限りません。


それでは小豆を今ここで植えてみようね。

春です。種をまきます。播種(はしゅ)って言います。

  08autumn04-04.jpg 08autumn04-03.jpg種は春に種を蒔くと、順調にいけば芽を出すわけです。

さぁ出ました。

ピンコン。

早速、最初のハードルです。

08autumn04-05.jpgまだ始まったばっかりなのにっていう感じでしょ。
でもね。
予想したとおりに何でもすすむとういうのはボクらの思い込みです。


この発芽する春先にね、霜が降りると小豆は全滅します。

この霜を晩霜と言います。

理不尽でしょ。
全く自然は理不尽です。

地平線の彼方まで植えたの小豆は一夜にしてパーです。

でもまだ春先ですから、あきらめたらダメです。
植える時期が遅い金時を植えれば、なんとかリベンジできるかもしれない。
そこで慌てて、翌日には金時を植えたりするんです。

2008年11月16日

マメヒコのエコマーケット

IMG_5705.JPG 

マメヒコでは「エコマーケット」というものを始めました。
今までもマメヒコの珈琲豆や紅茶、中国茶の茶葉を
販売していましたが、
もっと気軽におうちでもマメヒコしてもらえたらいいな、
ということで、マメヒコの角砂糖なども仲間入りさせて
リニューアルすることにしました。

テーマはエコロジー&エコノミー。

というのも、気軽に買っていただきたいのに、
いちいち茶葉を入れる袋にお金がかかっていたり、
包装する手間がかかったり、
更にそれがお家に帰ってただのゴミになってしまうのでは
全然気軽ではないしもったいない!

外身にコストがかかって値段が高くなってしまうより、
中味重視でデイリーに利用していただきたいから、
エコロジー&エコノミーに徹することにしました。

ですから、茶葉やお砂糖は外国のマーケットみたいにビニール袋に直接量り売り。
珈琲豆は30円の珈琲豆袋にお詰めします。
もちろん、その分中身の茶葉や珈琲豆は値段を下げました!

さらにそのビニール袋もごみにしたくないよね、
とご賛同いただける方は、ぜひ、お家からご自宅用の瓶や缶、
一度使ったマメヒコの珈琲豆袋等をお持ちください。

あと、マメヒコで販売している瓶や缶をお買い求めいただき、
それにお詰めするというのもあります。
これなら、何度でもリユースできるし、
お友達へのプレゼントにもかわいいです。

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ざくざくとお詰めいたしますので、お気軽にお声をお掛け下さい。
おうちでマメヒコ。
そして、エコロジー&エコノミー。
これからそんなマメヒコをよろしくお願いいたします。

2008年11月15日

みんなたちへの豆教室 VOL.6

  08autumn04-01.jpgみんなほんと何も知りませんね。
ササゲは小豆に似た豆です。
ぱっと見ても区別つかないです。

関東では赤飯にどうしてササゲを使うかというとね。
アズキだとね、どうしても皮が破れてしまうんです。

そのことが、江戸の侍は気に入らなかった。

餅屋「このたびはおめでとうございます。お祝いに私ども自慢の赤飯を炊いて参りました。お召し上がりくださいませ」
お侍「餅屋」
餅屋「へぇっ。いかがでございましょう」
お侍「腹が割れておる」
餅屋「はっ」
お侍「豆の腹が割れておる」
餅屋「ハハハハハハ。小豆のやつはなにぶん皮が破れやすいたちでして。お味には」
お侍「餅屋っ。祝いの宴の席で豆が切腹しておるとはなにごとじゃ」
餅屋「いやでも、小豆は皮が破れるのがなんていうか」
お侍「うつけ!(刀抜いて) 貴様の悪事は全て露見した」
餅屋「いや悪事って」
お侍「この場にて、潔く腹を切れ!」
餅屋「ば、馬鹿な~!!」
お侍「小豆にできることを、おまえにできぬことはあるまい」
餅屋「しょしょ将軍様」
お侍「不届千番、覚悟」

長くなりますからやめますけど。
まぁウナギなんかもそうで、どうも関東のひとは煮崩れするアズキを忌み嫌ったみたいなんですね。

それくらいアズキは割れる。

08autumn03-04.jpgでもそこがいいところなんです。
皮が破れて中から呉が出てきてくれなきゃあんこは作れません。
煮崩れたアズキの皮をこしたのが、こしあん。
皮も残せば、つぶあんです。

小豆の一大生産地と言えば、それはもう十勝です。
もう地平線の果てまで小豆畑というところです。

そもそも十勝で豆の栽培が始まったのは明治初期なんだそうです。
十勝は、火山灰の土壌ですから、当時の重要な動力源だった馬で畑を起こしやすい環境だった。
豆を作るのに適していたんですね。
さらに秋の乾いた気候は、刈り取った豆の乾燥にも適していたっていうんですね。
だから北海道で盛んに豆を作るようになった。

さらに、寒暖の差が激しいところですから。
昼間、暖かくても夜になるとがくんと冷える。

そういうところで採れた作物っていうのはおいしんです。

でもね。
実を言いますとね。

十勝で小豆を作るというのはかなり無理がある。
無茶なんです。
小豆というのは、本来、暖かいところの植物です。
知らなかった?
知らなかったでしょ。
そうなんですよ。
だから十勝になんか向いてないんですね。

なのに日本の一大生産地でしょ。
つまり、そもそも無理がある。
だからいろいろな悲劇が起きるんです。