2005年5月29日

よち

面接が続いています。

おかげさまでかなり大勢の皆さんからの問い合わせ、お申し込みをいただいております。

なんともありがたいことです。

そのなかで、店長ほかメインのスタッフの骨格が整いつつあります。

今回の総合デザインを担当するノルスク社長の北田さん、施工を担当するSOHOの会長松村さんとデザイナーの小松さん、厨房のデザインを担当されるレスクのデザイナー稲飯さん、メニュー作成とオペレーションを担当する伊藤さんと、滝口さんで最終の打ち合わせが溝ノ口のノルスクでありました。

懸案だった店内の椅子30脚は1920年代のイギリスの教会の椅子が偶然手に入ることになり、北田さんの自信作5mの無垢のウォールナットのテーブル、同じく7mの本棚に合うんじゃないかと楽しみです。

照明、床材、家具、壁の色、便器、あらゆることが決定されました。あっそうそう、予算の関係で壁だけは施主のボクが塗ることになりまちた。デコラペイントの巨匠に頼むと高いので。

オープン前の心配事はおよそなくなりました。

けれど完成とはことの終わりを示し。

7/1、笑業客船 マメヒコ丸はドッグを離れ、終わりなき航海へと旅立つのです。悲喜交々を泡にしながら、船は海原を進んでゆく。

カラフルな紙テープ。近くの高校の音楽隊。トリコロールの煙突と汽笛。ささやかなドッグに残り、スパナを置くボクにできることは少なく、船長率いる乗組員スタッフとお客さまの無事な航海を祈るほかないのです。

このさみしさ、高揚、感慨を味わうことができるのは、おそらく、ささやかな造船工場長の特権なのでしょう。

船出までひと月。

ドッグはあわただしい時を迎えようとしています。

2005年5月20日

帰り道に / よち

スチームコンベクションオーブンやエスプレッソマシーンの導入を検討しに、

朝からタッキーとコンサルのI氏と厨房機器メーカーのデモンストレーションへ。

といっても、ほぼ厨房機器の選定はできているので、あくまで参考程度。

それにしても、いまのハイテク調理器具はすごいよ。

ボタンひとつで焼いたり、蒸したり、ゆでたり、パン作ったりね。

かと思えば、調理済みのものを急速に冷ましそのまま冷凍保存したりさ。

一台で何百万もする機械が結構売れてるらしい。

お店にとってはタイムマシーンだかんね。

いままで半日かかってたもんが2時間でできちゃうとかさ。

結局、経営者にとってはタイム伊豆マネーだってことだよ。

人件費のコスト減につながるわけだから。

けど時間を歪めるためにすごい電力使って、あっためたり冷ましたりするっていうのは、

エネルギー資源的に見るとかなり無駄じゃないのかな。

暖房と冷房を同時につけてるみたいなもんでしょ。

たとえ見た目は同じでも、味だって差が出てくる気がする。

昼は渋谷のvironで食べて、こういうのがやりたいんだよなと再実感して三茶へ。

現場は工事が始まっています。

桜新町の東京電力に電力量のアップをお願いに。

この問題が片つかないので、オープンの日にちが確定せず。

ブルーな毎日が続いてます。

お願いにあがるも東電さんでは結論は出ず。来週審議して工期が決まるそう。

でもどんなことあっても、7月のオープンを目指して準備は進める。

求人面接。ひととおり終わりました。

まぁいろんな人が来たね。ちなみに応募者のほとんどが女性でした。

事前に書類に目は通し、見込みある人とだけ面接しましたが、それでも会ってみないと人はわからないものです。

会うじゃない。

一応、採用とか、不採用とか決めるでしょ。

なにを基準に選んでるかってさ。

資格とか、経験とか。ボクの場合、そんなもんどうでもいいわけ。

これから長く一緒にやっていく「人」を探してるんだから、その人を好きになれるかどうか、それだけなのね。

たとえば、コーヒーの飲み方とか、手の「さま」、靴をそろえたか、履歴書の字とか、つまり物腰が気に入ったかどうかなわけです。

面接中は緊張してても、油断してるところに、そのひとの本質というかそういうものが、どうしたって出てくるんだな。

でもね。

偉そうなこと言えないの。

この前こういうことがあったの。

面接の合間に、ふらっと古美術屋さんに立ち寄ったときのこと。

骨董器や古道具が好きだからなんとなく眺めてたわけ。

古い建物は天井が高く、柱時計の音。静かな沈黙。

ご主人は台座に正座し、こちらを見るわけでもなく、まっすぐ前を向いてらっしゃる。

特に欲しいものもなく、けど黙って出るのもなんか悪い。そういう時ってあるじゃない。

とっさに「こちらに釣ってある灯篭ですか。珍しいですね」とボクも風穴を開けたわけ。そしたら

「それは正倉院にある灯篭を模したものです。球というのは珍しいものです。天平時代の文様が特徴です」「はぁー、なるほど。確かに唐草が今の文様と違いますね」

なんてこちらも相槌を打ってまた沈黙。

帰ろうかなと思ったらご主人。

「気を悪くしないでいただきたいのですが。

あなた様はお若いが、古いものが好きなのでしょう。

そうお見受けしますが、わたくしの店に入られるとき、ポケットに手を入れたままでおられた。そして、そのまま店を回り、そちらの器を片手で持ち上げ、裏の値段を見、戻された。悪気は無いでしょう。しかし、、それであなた様の人の格がわかります。どのように育てられ、普段どのような店で買物されているのかも分かってしまいます。このような話しをしたのもあなたがきっとわかってくれると思ったからです。古き良きものにご興味がおありになるのなら、ポケットに手を入れてお店へ入るのはおよしなさい」

そのまま1時間。ものの道理について講義を受けたのでした。

人を選んでいるようで、誰かに選ばれているのだなと背筋をしゃんとしたのでした。

2005年5月19日

楽しい日々 / よち

こにゃにゃちは。

「カフエ マメ-ヒコ」のオープンの日が決まりました。

71日、金曜日、大安です。

2ヶ月をとうに切って、店内の工事が急ピッチで進んでいます。

日々、一日一日と、あらゆることが決まっていきます。決めてゆかなければならないのです。

壁の材質、床の色、ライティング、机の高さ、椅子の材質、厨房のレイアウト、珈琲の値段、カップの取っ手のつまみ具合、店員の笑顔、営業時間・・・・。

広げていた風呂敷をたたむ時期です。

無限に広がっていた可能性は唯一の答えとなってその是非を問われてゆくのです。

何をチョイスすることがベストなのか。

霧中に着陸の舵を執る。ボクはジェット機のパイロットです。

ボクはなにを頼りに降りてゆけばよいのか。

最近、こういうことを考えます。

ボクのための白い壁がある。

それはとてもきれいに輝いていて、きれいね。きれいだねー。

と、道ゆく人は漏らしてゆく。

壁の前のボクはどこか落ち着かない。

傷がついたらどうしよう。シミがついたらどうしよう。

気持ちがボクを焦らせる。

見張ってみる。

見張っている。

はっとする。

うとうとしたらしい。

目の前に。

小さいけれど、傷がついている。

しっかりと付いた黒い痕。

あーと泣きたい思い。

犯人は誰だ!と血眼になるけれど見当たらない。

もう二度とこんなことがあってなるものか。

見張ってみる。

見張っている。

ポツリと。

雨が

雨が。

降ってくる。

ボクは慌てて天に両手を向ける。

容赦なく、シミができてゆく。

もうなにもかもいやになる。

それでも気を取り直し、今度こそ。

それでも傷はついていく。

いつしか。

道ゆく人も気にも留めず、ボクも壁のことなど忘れてしまう。

ふとボクはボクの壁の横を通りすぎる。

純白の壁は、光沢の無い壁になっている。

シミや傷はもはや数えることなどできず、その代わり味のあるテクスチャーとなって落ち着いた輝きを放っている。

ボクは壁のことが好きになっている。

前よりずっと好きになっている。

2005年5月16日

なんだってそーいうもんだよね / よち

山あいの遠く向こうに見えていた「電力が不足している」という入道雲は、知らず知らずのうちにボクの頭の上に鉛のように重い雨雲となり、灰色の雨がいつ降り出してもおかしくない感じとなりました。

7月のオープンは無理かもしれないという事態が発覚して1週間あまり。この電力問題は、厨房機器の設定に関係してくる上に、オープン時期の変更はスタッフの募集などにも関わり、また仮に工事が間に合ったにしても莫大な工事費がかかっちゃうと大変な問題となりました。あらゆることを想定して、今は71日予定で進むしかありません。

問題はそれだけではありません。電気工事や設備に思った以上に経費がかかり、全体的に総予算をオーバーしていて、お金が足りなくなってきました。すでにたくさんのみなさんに、か・な・り、ご協力いただいて、そのうえさらに金額を交渉するというのは、なんとも心苦しく、かといってなしくづし的に認めてしまっては、スタート時点で店に大きな負担となるわけで、お客様に対するサービスコンセプトが崩れるのでは。と心配しているわけです。払うのは簡単なんですよ。どっかからお金借りてきて払えばいい。でもそういうもんでもないんですね。みなさんいいものにしようと考えていただいた結果ですから、ボクの読みが甘かったわけです。むにゅ。困ったのぉ。店長も相変わらず決まらないしぃ。

でも何かを始めるというのはそういうことだからね。なにかを思いついて、あとはちゃんちゃんちゃんと誰かに任せてできるものじゃない。ボクはいつでもそうです。予算がいくらあったって、どんだけ準備時間があったって、同じことです。最近読んだ雑誌にこう書いてありました。ある著名な女性のファッションデザイナーの言葉ですが。

「ものをつくるときに妥協は無いと私は思っているんですね。1回そういうのを許したらズルズルってなるから。妥協って言葉は私の辞書に無い。ものをつくるって妥協とは無縁のものなんですよね。もちろん、ここまでしかできないということは引き受けながらやりますけど。でも目指すものは常に上にあるわけだから、そのことに対してどういう道を探すかってことには妥協は無いのよ。ノーと言ってる人に構っている暇もないんです。もの作りってね、結局はイエスと言ってくれる人に会っていくことなんだと思う」

今週、東京電力に掛け合うつもりです。気が重いけど。仕方ないよね。プププ。

2005年5月 9日

解体開始 / よち

ここのところの試作でメニューが二転三転している。

「豆」を知れば知るほど、その可能性は無限にあるだけに絞れないままでいるのだ。

そのため、厨房が決まらず、ゆえに、全体の設計が決まらない。よって売上予測が立たず、しかるに、メニューが定まらない。

という悪循環に陥っている。

狭いスペースでいかに無駄なく調理するか。

厨房の設計をやり直そうと、コンサルタントのI氏とタッキーを朝から集めて、再度打ち合わせ。

結局、なにがわかったかというと・・・。

最初の直感を信じるほかないのだ。

いろんなことを検討していくうちに、知識が増え、同時に不安も増えていくけれど、豆でいけると思った自分を信じるほかないのだ。

みんなのいいところを寄せ集めるのではなく、誰かの直感をみんなの力で具体化していくほかないのだ。

ここんとこの試作のメニューも全部白紙に。厨房設計も白紙の状態から作り直す。

いよいよ解体工事が始まる。

でもまたしても問題。電力量が足りないことが判明。さらに電気工事に4ヶ月かかることが。

7月オープンは無理との報告。しかし、絶対に7月オープンすべく動かなくてはならない。

事務所は一日求人対応。

水曜から面接が始まる。いい人が来てくれるといいんだけど。

いい知らせといえば、試作の小豆のロールケーキが美味しかったことと、大家さんが設計図面を気に入ってくれたこと。

2005年5月 5日

全体打ち合わせ2回目 / よち

2回目の全体打ち合わせがありました。

5/10からの工事着工を前に、店内のレイアウトを再検討。

メニューから想定される厨房機器をもとに、厨房メーカーからあがってきた図面を照らし合わせてみる。

あらっ。スタッフの控え室が取れないじゃない。

ここで、スタッフの控え室は必要か不必要か議論に。客席をつぶしてまで要らないという意見。わずかでもないと女性は困るわっていう意見。結局オーナーの考え方次第ですがね、スタッフを取るか、お客を取るか。とよちに振られる。

むむ。でも、結局のところ喫茶店の割りに厨房が立派過ぎることが問題なの。それはメニューにこだわっちゃってるから。控え室はやっぱしないとさ、それはスタッフにとってもお客にとっても。厨房を少し削ってもスタッフスペースは要るという方向で進めます。

次に価格設定について、全体的に高くねー?という意見あり。そこでまた議論に。

よち「高いと思わせないサービスをみんなで具体的に追及してから、それでも高いと感じるなら最後の最後に値段を下げましょう」

お客さんが荷物を持って入ってきたとき、それをどこに置くか?傘はどうする?コートは?そういう配慮が無い店が多いよねと。いちいち預けるのはうっとうしいし。そういう細かいディテールの積み重ねが大事なんで、価格の高い安いはその先の話でしょうと。

それよりも珈琲を中心としたお店でありながら、飲み物を飲まずに済むデザートのウェイとが高すぎることが問題なのだ。

豆の特色を活かしたケーキメニューをもっと考えなくてはね。

スタッフの募集始まる。書類選考が始まってます。休み明けからばたばたと忙しそう。日差しが夏らしくなってきたことに少々焦る。

2005年5月 2日

豆の試作がつづいてる / よち

大型連休なんだってね。みんなどっかいったりしてんのかな?

こっちは、ゴールデンウィークに入って毎日メニューの試作が続いてる。

料理チームの努力により、思ってたより面白いメニューができてきた。

すこーし先が見えてきた感じ。

秘密兵器の導入により、豆加工の問題も大体片付いたしね。

でも実際作ってみなきゃわかんないよね。料理は。

白いんげん豆とツナのサラダを考えてたんだけど、作って食べてみたら、オシャレなんだけどまずいの。

ツナのパサパサした感じと、豆のもさもさした感じが食味悪いんだ。

目下の課題はアイスクリームを自家製にするかどうか。これも実際作って食べてみなきゃならないね。

今日からスタッフの募集が始まります。いいひと来てくれるといいけど。

いまは合羽橋。オリジナルの食器を作るべく食器問屋を回ってる。

7/1OPENに向けてバタバタしてる。