こんにちは!MAMEHICOのトモです。
「アト5分マッテカラ、タイムカードウッテ良いですか。」
「スタッフは全員、マカナイはタベサセテモラエルンですか。」
たまに、こういうことを言うスタッフが入ってきます。
信頼関係のある間柄ならば、まだしも。
相手との関係性よりも先に、自分の権利を主張してくる。
そういう子に限って、
ボーっと仕事をしていたりする。
お客さんが来ていないのに、仕込みがなんにも終わらない。
上がる時間を過ぎても、ちんたら仕事をしている。
水は出しっぱなし。電気は点けっぱなし…。。。
「なんとなくやって、稼ぎたい。」
「なんとなくやって、認められたい。」と、その子の背中が言っている。
「もう上がる時間だから、ちんたら仕事しないで、タイムカード打ってね!」
「電気は点けっぱなしにしないでね!」と、細かいことを言いそうになる。
でも、それはそれで、私も「金の奴隷」になっている気分になる。
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ヒマな時間をボーっと過ごされると気分が悪いので、「やることリスト」を渡してみる。
「あれやって」「その次は、それを、こうやって」……せっかくお給料を払っている。この時間で、進められることは進めたい。
細かく細かく、指示してしまう。
だけど、そう思っている時点で、
やっぱり私も「金の奴隷」なんだ。
一緒に働いているのは、ロボットではない。自分と同じ、人なのである。
自分の中で矛盾が起きる。
「自給や立場、権利に縛られた関係は嫌だ」と思っている。
だけど、自分も自分で。お金や権利や正論で、彼女たちを縛っている。
うーーーん。
これでは、面白くない。
だからって、楽しければなんでもいいよ、と、だらしなくやっても。それは、更に面白くない。どうしたものか……。。。
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昔、アルバイトのスタッフの子達が、自分の話を聞いてくれないことに悩んだ時期がありました。
「こういう接客がしたい」「マメヒコはこうありたい」と言っても、誰も聞いてくれなかった。
それは、わたしに信用がなかったから。
その頃の私は、店に毎日立つ体力も備わってなく、飲食店のスタッフとしての基礎もなく。いつもガタガタ。みんなに尻拭いをしてもらい、助けてもらって、やっとお店をやれていました。
そんな人に「こうしたい」だの。「これはよくない」だの。
そんなことを言われても。
例えそれが、正論だったとしても。
人というのは、「正しいから話をきく」というものではないのだと思います。
「仕事なんだから」
「お給料発生してるんだから」
「私の方が、”思い”はあるから」
自分なりの正論を掲げて、話を聞いてもらおうとしていた、浅はかな私…。。
誰も話を聞いてくれなくて。何をいっても突っ返されて。
虚しい日々でした。
言ってることが正しいかどうかより
まず先に、「この人は、信用に足るかどうか」なのである。
信用している人の話ならば、
それが合っていようと、間違っていようと、「まずは聞いてみよう」と思うもの。
正しいか、正しくないか、ということは、
人にとって、関係ないことがほとんどなのかもしれないなぁ、と、最近思います。
「お給料をもらっているから、時間を無駄にせず働くべきだ。」
「あなたは、こういうところがダメだ。」「お金がもったいない。」
そんなことを振りかざされて、気持ちよく働ける人なんて、いないでしょう。
「このヒトといて楽しいか、楽しくないか。」
「面白いか、面白くないか。」
人が動く、というのは、
そういうときなんだろう、と思います。
あんまり真面目に、細かくやりすぎても、しょうがない。
ただただ、窮屈になるだけ。
さて、今日もるるさん(お客さん)からお手紙が届いていますので、紹介します。
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ともちゃんへ
先日、MAMEHICO銀座で
井川さんの「あの頃、ボクは信じていた」の講座を受けました。高度経済成長の時代について学びました。
家という建物は、都会だと、道に沿って建っていますね。でも、地方に行くと、道路に沿わず、太陽との位置関係で家が建てられている地域があります。
太陽に向かって建つ家々です。
玄関、居間に太陽が当たるように。そういう地域に都会の人が訪れると、その風景を見て、心が落ち着くのか、また訪れたくなってしまうそうなのです。
このような家の建て方は、行政が造った道に沿うものではなく。自然との対話の中で建っていると、私には感じられます。
先日の講座の中で、世界の人たちが金(きん)を重要視してきたことを知りました。
そうすると、道路に沿った家が建つんだな、と思いました。
だって、金(きん)は、食べられないじゃないですか。
お日様を有り難く思った昔ながらの日本庶民の価値観と、金(きん)を重要視する近代の人たちの価値観は、何か違うように思います。
陽を浴び、自然の恵みを食べて生きていることが、忘れられてしまうのでしょうか。
るる
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わたしは、一緒に働いているスタッフに、時間や金や正論を、押しつけていないだろうか。
ユーモアを持って仕事ができているだろうか。
賢さと思いやりをもって、仕事ができているだろうか。
一緒に食べて、一緒に笑って。
金の時代かもしれないけど、お天道さまの声に耳を傾けて。
生き生きと、働きたいものです。