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紫香邸の炭火のこと

紫香邸の建物は、先代は骨董屋でした。骨董屋さんから引き継いだ様々なものが残されています。

その中のひとつに大きな火鉢があります。広い和室の真ん中にその火鉢があって、毎朝炭火をくべて鉄瓶でお湯を沸かしています。

炭火を起こすには、まず、松ぼっくりを拾ってきます。松ぼっくりは油分が多く、長く燃えてくれるいい燃料なのです。松の木を見つけると、下に松ぼっくりが落ちてないか探してしまいます。

ある日、お店に出勤する前に車を停めて松ぼっくりを拾っていたら、近所のおじさんが「何してるんだい?」と。「松ぼっくりを拾ってるんです。毎日炭火を起こしてるんで。」と言ったら、「えらいねえ〜!ほら、あそこにいっぱいあるよ!」と教えてくれました。

裏庭に七輪を出して、段ボールを細かくちぎって入れ、火をつけます。火が大きくなってきたら松ぼっくりをポイポイと投げ入れます。松ぼっくりはボーッと燃えた後、炭のようにじわじわ燃えてくれます。

火がある程度大きくなったら、クヌギの炭を入れます。クヌギの炭は火がつきやすいです。その代わり燃え尽きるのも早いので、クヌギに火がついたら、備長炭も入れます。備長炭は火がつきにくいですが、ついたら長い時間じわじわと燃えてくれます。

クヌギの炭も備長炭も、ある程度白く赤く全体的に火がまわったら、炭を移すための手鍋にトングで入れて、裏庭から店内の火鉢まで運びます。

火鉢は灰でいっぱいになっているので、真ん中を丸く開けます。そこへ白く赤く燃えている炭を入れます。かなり熱いのでそのまま五徳に鉄瓶を置くとすぐにお湯が沸きます。灰を炭に被せる具合で、火力を調節して、じわじわと湯気が出る程度にします。

最後に、灰ならしで円を描くように整えます。

お茶ガラが出たら鉄瓶のお湯に入れると、錆止めになります。

毎朝1〜2時間かかるので、まず火をつけて、火がついたら七輪をほっておいて間に掃除したりして、ちょこちょこ様子を見たりします。

その日の天氣によって、火がつきやすい、つきにくいがあります。雨や雪の日は冷たい湿気でつきにくいです。そういう時は根気よく風を送ったり燃料を追加したりします。

風が強すぎても、炭に火がつく前に燃料が燃え尽きてしまうのでつきにくいです。風と水と火の塩梅で、「今日はこんな空氣」というのがわかります。

じわじわとあたたかい火鉢のそばで、クロカンやお茶をいただきながら 豆選りをするのが好きです。

火鉢の面倒を見ながらお客様といろんなお話をすることもあります。

紫香邸にいらしたら、ぜひ火鉢にもあたってくださいね。

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