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代表が語る、MAMEHICOのこれから

── コロナにより飲食店は、感染の波が収束しても客が戻ってこない、客離れが深刻です。戻ってきてる店、戻らない店の差が開いていると言われてますが、どう考えますか?

井川:うちも始めた頃は、お客さんにたくさん来てもらうにはどうすればいいかって考えていたわけね。でもそれって知らないお客さんの受けをどうやって狙うかってことなわけよ。
だけど、それは小さなお店では無理だなと。今考えれば当たり前のことだよね、でもそれは最初わからなかった。
それで匿名から実名、知らないお客さんから知っているお客さんのことを、中心に考えるようにしたんだよ。まず名前を知るところから始めようと。
MAMEHICOでメンバーシップ制としたのも、お客さんの名前を聞けることが一番大きいのね。カフェで「あの、お名前なんですか?」って普通聞けないわけ。は?なんですか?ってなる。美容室とか名前聞くのは普通でしょ。そんな風にできないかっていうのが最初。
飲食店がコロナ禍で離れたお客さんを戻すのは難しいと思うよ。商売としても八方ふさがりの状況に追い込まれてて当然じゃないの。客足が戻ってきているように見える店でも、実情は大変だと思う。
お客さんと親密な関係が築けるかどうか。そういうことなんじゃないのかな。

── あらゆる食材の価格が高騰しています。食材の原価や仕入れ価格を抑えながらも、料理の質などサービスは維持することが重要といわれてますが、どう考えますか。

井川:お店に利益を残そうとしたら、価格を上げるか、コストを下げるか。まぁ、どちらも行うんだけど、もう限界なんじゃないの。
 価格を上げても、お客さんていうのは店に落とすお金って、あんまり変わらないもんだよ。価格上げれば、品数減らしたり、利用頻度下げたりするわけでさ。
 お客さんのはなしだと、物価は上がってるけど、給与は据え置きだから財布の紐がかたいっていうよね。てことは、売上はコロナ前には戻らないんじゃないかと思う。仮に売上が戻ってるように見える店も、利益構造は以前と同じにはならないと思うよね。コロナのときに閉めてたときの負債も抱えたままだろうし。
 これは東京に限ったことかもしれないけど、そもそもコロナ禍でも家賃は大きく下がってない。となると、もはや利益は出ないんじゃないの?もはやこれまでと、閉店するのも仕方ないと思うよ。なんとか食材を安いものに変えるとか、なるべく気づかれないように量を減らすとか。涙ぐましい努力が、どこまで実を結ぶかね。
 うちもそれは同じだけど、メンバーシップ制になったことと、イベントの売上が増えたことで、食材のロスが大きく減らせたのは助かってる。メンバーさんには、食べたいメニューはなるべく予約してから来てねって言えるし。たくさん作っては捨てるっていうのは、ほんとに無駄な経費だからね。

カフェが「孤」の受け皿に

── 戦後、都市化やグローバル化が進み、終身雇用も崩れ、家庭や地域も崩壊しています。にも関わらず、その受け皿が無いと言われていますが、どう考えますか。
 地域の農業の担い手を、工業化を進めるために都市に集め、人口が集中し、少子化と不景気が直撃してるんだから、こうなっても仕方ないでしょう。

 日本の政治や統制に課題、問題があったのは当然として、それを良くしないとダメだと思います。けど良くなる気配は、まだまだ無い。政治が悪くても、ヒトは強かに生きていくしか無いとボクは思います。
 ホンネもウソも混ぜながら、のらりくらり、面白可笑しく生きていければいい。戦時下だとしても、笑いっていうのはあったわけで、世を憂いて深刻な顔をすれば、誰かが助けてくれるってわけでもない。ヒトは思ってるよりも親切じゃないし、ヒトは思ってるよりも意地悪じゃない。
 時代が暗いので、どこにも所属している気がしない、孤独を感じてるってヒトは確かに多いと思いますよ。
 MAMEHICOはじめ、街の小さなカフェがその受け皿になれる可能性はあると思う。居酒屋と違い、朝から夜まで開いていて、老若男女が集まれるし、文化的な活動もできる。
 ボクたちも、その一端を担いたいと考えているけど、それにはMAMEHICOの価値観を理解してもらうのが大事だと思ってます。
ボクたちのMAMEHICOは「リアリティ」をとても大切にしたいと始めたんです。
 食品と料理の研究家である磯部晶策さんのご著書に『食品を見わける』という本がありまして、その中に「良い食品とは」というのがある。

1.安全で、安心して食べられること。
食品添加物について考えるとともに、食品衛生の基本から安全を追求する。
2.ごまかしのないこと。
偽和、不当表示にとどまらず、一切のごまかしを排する。
3.味の良いこと。
化学調味料や、表示上で「天然調味料」と呼ばれるものなどによる安易な味付けに依存せず、原材料と技術の調和による美味を生み出す。
4.品質に応じた妥当な価格。
どんなに良くても品質に比較して不当に高い価格は失格と考える。

 たとえば、これを守ってやってみたんですね。

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