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代表が語る、MAMEHICOのこれから


 お店で使っている調味料や食材は、醬油、味噌、みりん、酒、米油、オリーブオイル、バター、生クリーム、塩、砂糖、小麦粉、お米。これら、ひとつずつ、選んで味見して、ちゃんとしたものを使うようにしました。味噌は自分たちで北海道にハタケを作り、無農薬で大豆を育て、米麹も自分たちで発酵させ、それで作ったりしました。そこまでとことん「リアリティ」を追求したかった。
 珈琲豆も茶葉も、鮮度の良いものしか使わないと決め、野菜もスーパーには流通しない地場のものしか使わない。品質の良いものを使い、手間暇かけて店内で作ってる。椅子やテーブル、棚や扉は、広葉樹の無垢材を使った家具しか使わない。店内に活けるお花は、季節に応じて生花を用意する。
 掃除は店内の隅々まで、ランプシェードの上とか、お客さんからは見えないところ、たとえば冷蔵庫の中とか、引き出しの中、トイレの掃除道具入れに至るまで、整理整頓を徹底してやる。それを心がけてやりました。
 つまり、面白可笑しくやりながらリアリティを追求していくっていうのが、マメヒコの価値観なんですね。
 こういうことをいいなと思うお客さんに支持してもらわなくちゃいけない。そして、運営の面でも積極的に手伝ってもらいたいとも思ってます。
 そのために色んなイベントを通じて仲間を集める必要がある。
イベントは専門的になりすぎず、興味があるもの、多岐に渡ってるほうがいい。
 北海道に畑を借りて、店で使う黒豆やかぼちゃを栽培する「ハタケマメヒコ」もそうだし、マメヒコが主催する演劇や音楽会もそうです。映画製作なんかもやったり、本を作ったりしてるのもそうです。
 どれも仲間集めのためにやってきたことだけど、傍から見れば何をやっているのかよくわからない店、ということになるかもしれないね。
 でもそれでいい。どうも、お金目的にやっている感じもしない。かと言ってなかなか潰れもしないし、余裕もありそうだ。コロナのさなかでも、新店を銀座と神戸に同時にオープンしてる。
 それはボクらの店にはたくさんの仲間がいるからです。みんな自分の店だと感じて、そのヒトの身の丈に合わせて自由にやってる。
 ボクが好きな海外のカフェは、みなそういう店です。変わった店主がいて、店に集まるヒト達は勝手に店をカスタマイズして、誰が店員なのかお客なのかもわからない。
 日本でも新しい時代になれば、そういうカフェがもっともっと必要とされるはずだとボクは確信してる。なぜなら、マメヒコを自然に任せていたら今のスタイルになったから。ボクが誘導したんではないんです。つまり、時代はそういう潮流になるってことだと思う。

── 他分野との連携も始まっていると聞きました。どういう考えで進めていますか。 

 ボクのまわりにいるヒトたちは東京近郊育ちが多いからか、ドライなのに温かいところがある。ヒトの距離感を測りながら付き合うことに慣れている。そして自分たちは社会の一員であるという感覚を持って、出来ることなら社会の役に立ちたいと思ってる。
 それと所有っていう概念が薄くて、個々に自立していて、自分の持っているものをシェアしたり、シェアされたりを当たり前だと考えている。こういう考え方が、これからの日本にも必要とされてるんだと思います。
 医療や福祉をお仕事にしている方もお客さんとしてたくさん来ているわけですよ。その分野も、閉塞感が漂っていて、どうもこのやりかたでいいのかなと思っているヒトは大勢います。
 それは教育もそう。立場があるから現場では言えないけれど、先生たちがこのままではやってらんないという声も聞きます。地方再生なんかもね。コミュニティがなかなか作れない。作ってもうまく機能しない。そういうのも聞くんですね。
 昔ながらの所有っていう感覚で、ヒトを使ったり、場所に固執したり、お金に執着したりではうまくいかない。人間関係も、お酒飲んでべったり付き合うっていうのは苦手ってヒトもいる。
 だからって、スマホだけ使って、生身の人間関係を軽視したってそれは何も生まれないと思うよ。
 MAMEHICOに魅力を感じるヒトの中には、そういう価値観が似ているヒトが、もしくはこんな感覚で集まってるヒト達がいるんだと驚くヒトがいて、タイミングが合えば一緒になにかやりましょうって言ってます。
 実際に、色々と動き出してることがあって、傍から見ると、なんでカフェがそんなことしてるの!?って思うかもしれないね。なんの不思議もなくて、結局、最後は人間なんだから、みんなが必要としてるもの、そのイメージが共有できたなら、あとは黙ってたってヒトは勝手に動き出す。そういうものだと思うよ。

MAMEHICO代表 井川 啓央(いかわ よしひろ)
1973 年札幌生まれ。日大芸術学部中退。株式会社セレンディピティ代表取締役社長。2005 年 7 月「カフエ マメヒコ」を三軒茶屋に開店。2008 年、影山知明氏の依頼にて、西国分寺に「クルミドコーヒー」を開店。2017 年より、シャンソニエ、エトワール★ヨシノとして、作詞、作曲を精力的に行う、2021年からは、連続ドラマ「ノッテビアンカ」を、脚本、撮影や録音、演出、監督、編集まで総合的に手掛け、自身のYouTubeチャンネルにて配信中。2022年9月「MAMEHICO東京・銀座」、「MAMEHICO神戸・御影」開店。https://ikawayoshihiro.com/

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